3・瑕疵担保履行法10年保証が欠陥住宅を作らせる③

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瑕疵担保履行法、10年瑕疵保証制度はご存じでしょうか? 

瑕疵担保履行法の10年瑕疵保証制度は、住宅取得者の保護を目的として2009年に導入されましたが、制度運用の実態が欠陥住宅の発生を助長する可能性があるとの指摘が存在します。 

建築主が受ける被害を減らすために作られた「瑕疵担保履行法」の10年保証制度ですが、実はこの制度が欠陥住宅づくりを助長していることに気づいている人はほとんどいません。 



・10年瑕疵保証保険会社は民間企業です。 

・10年瑕疵保証保険会社の目的は、より多くの利益を得ることです。 

・10年瑕疵保証保険会社の顧客は、保険料を支払う工務店です。 

・10年瑕疵保証保険会社の検査は、提出された図面通りに建物が作られているかどうかを確認するものです。


 
■制度設計と現実の乖離 

10年瑕疵保証保険会社の検査は欠陥住宅を未然に防ぐことと大きく乖離しています。

 
■保険検査の実態

・検査対象は「図面との照合」が基本で、設計自体の欠陥は指摘されません。

・構造計算書偽装問題(2005年)で明らかになったように、不正な設計図面が検査を通過する可能性があります。

・防水層の目視検査では内部の施工不良を発見することはできません。 



ここで重要なのは、たとえ検査に合格しても、最初から欠陥住宅となる図面が提出されていれば、完成した家は欠陥住宅になってしまうということです。



これが、10年瑕疵保証保険会社の検査の現実です。 

さらに、この検査は「抽出検査」なので、工事の99%に欠陥があったとしても、残りの1%の正しく施工された部分だけを写真に撮って合格とされることもあります。

これが「瑕疵担保履行法10年保証が欠陥住宅を作らせる理由」です。 



「10年瑕疵保証保険会社の検査に合格したから、欠陥住宅ではない」と考えるのは、とても危険なことです。 

■10年瑕疵保証保険審査制度・検査制度の盲点 

         
設計(図面)審査工事中(現場)検査完成検査検査方法
審査・検査方法審査しない提出図面との照合同左正しく施工されている所を見つける抽出検査
欠陥の有無の確認審査しない検査しない検査しない提出図面との照合のみ
欠陥工事の見落としリスク欠陥の有無の検査は行わない

・基礎鉄筋の間隔違反(設計図面通りであれば基準不適合であっても合格する) 

・屋根防水層の継ぎ目不良(検査で確認不能であっても適切に行われていると合格する) 

・合板釘間隔(施工記録の確認のみで合格する) 



これが瑕疵担保履行法、10年瑕疵保証制度が欠陥住宅を作らせるとされる理由です。 

欠陥住宅のすべてに10年瑕疵保証保険証書が交付されていることがあなたの家も欠陥住宅であることを物語っています。 

検査の内容や仕組みを理解しておくことが、大切な家を守る第一歩になります。 


 
■検査の限界と抜け穴

10年瑕疵保証では、保険会社による検査が行われますが、この検査は「提出された図面通りに施工されているか」を主眼としています。
 
つまり、設計図面自体に問題があっても、図面通りに施工されていれば検査に合格してしまいます。 

その結果、設計段階で構造設計や防水計画に不備があっても、検査を通過し、欠陥住宅が市場に出回るリスクがあります。 



■保険会社のビジネスモデル

保険会社は民間企業であり、利益追求が目的です。保険料を払うのは主に工務店やハウスメーカーであり、保険会社は顧客である工務店との関係を重視する構造になっています。 

このため、検査が厳格になりすぎると顧客が離れる恐れがあり、結果として検査が形骸化しやすい傾向があります。
 
子会社の保険会社に審査、検査を行わせるハウスメーカーも存在している現実があります。
 
これが10年瑕疵保証保険制度の不備が欠陥住宅を作らせていると囁かれている原因です。 



■検査方法の問題点

保険による検査は「抽出検査」が多く、現場のごく一部しか確認しません。 

仮に多くの部分で欠陥があったとしても、検査対象となった箇所がたまたま良ければ、全体が合格とされてしまいます。 

ハウスメーカーの子会社の保険会社はハウスメーカーが建てた住宅においては検査を行うことなく合格証を交付するのが慣例となっているようです。 

これでは、実際には欠陥があっても保証が付与され、消費者が安心してしまう危険性があります。 



■消費者と業者の認識のズレ

消費者は「10年保証が付いているから安心」と感じがちですが、実際には検査の限界や保険会社の立場、検査の抜け穴があるため、必ずしも住宅の品質が保証されているわけではありません。 

このギャップが、欠陥住宅の発生リスクを高めている一因です。 

これ、10年瑕疵保証保険制度が欠陥住宅を作らせていると囁かれている理由です。 



■検査の実態と限界 

①検査範囲の限定 

保険の対象となるのは主に「構造耐力上主要な部分」と「雨水侵入防止部分」のみで、断熱工事や内装などは基本的に検査対象外です。 

例えば、正しく施工されている箇所の基礎配筋やコンクリートのひび割れ、外壁の雨水侵入跡などは確認されますが、断熱材や内部の施工ミスや隠くされた欠陥まではチェックされません。 



②検査方法
 
検査は主に目視と書類確認が中心で、現場での確認時間も短時間(10~20分程度という現場もあり)であることが多いです。 

保険会社ごとに検査要領が異なり、詳細な検査を実施する会社もあれば、簡易的な検査にとどまる場合もあります。 
 


③検査の質と効率 

検査は「保険加入可否の判断」や「保険契約者によるモラルハザード防止」が主な目的であり、住宅の全体的な施工品質を検査するものではありません。 

検査員が現場を全て網羅的にチェックするわけではなく、一部をサンプル的に確認する「抽出検査」が一般的です。 



■見抜けない欠陥の例
 
内部の断熱不良や配管・配線の施工ミス、壁体内の結露やシロアリ被害(表面に現れていない場合)などは検査対象外です。 

設計図面通りに施工されていても、図面自体に問題がある場合や、検査時に隠れてしまう部分の欠陥は見逃されます。
 
これ、10年瑕疵保証保険制度が欠陥住宅を作らせていると囁かれている理由です。

 
 
■まとめ

10年瑕疵保証は、住宅事業者が倒産した場合の消費者保護を目的としていますが、検査の限界や保険会社のビジネスモデル、検査方法の不備によって、かえって欠陥住宅が作りやすくなる構造的な課題を抱えていると考えられます。
 
住宅瑕疵担保責任保険(10年瑕疵保証)における保険会社の検査は、住宅の「主要構造部(基礎・柱・梁など)」や「外壁・屋根など雨水の侵入を防ぐ部分」について、決められた基準に基づき目視や書類確認、ヒアリングなどで実施します。 



しかし、実際に見抜ける欠陥や施工不良には大きな限界があります。 

・保険会社の検査は、損害金を支払う事態が生じる可能性が大きいか小さいかの判断を下すための検査です。 

・検査は構造や防水などが保険を受ける一定の基準を満たしているかを確認するためのものであり、住宅全体の欠陥や施工不良を検査するものではありません。 

・保険検査は「リスク管理のための重要な仕組み」ですが、全てのリスクをカバーするものではありません。 



消費者自身も欠陥住宅調査会のような第三者機関に依頼し住宅調査を行うなど損害賠償手段を検討する必要があります。

2025/8/16

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